鍵の達人
ネタが、無い。
毎日、私のブログを訪問してくださる方々に申し訳ないほど、更新ペースが落ちてきた。
本来、極私的なものであると言う定義のブログであるから、あまり義務感を感じなくても良いのでは、
という気もするが、反面、これではブログ=日記にならんじゃないか。
と言うことで、ショボイネタだが、久々の更新。
以前、このブログにも書いた、キーの話だ。
20年来使い続けたHONDAの堀文字つき鉄キーを不注意で紛失してしまい、
FUKIのスペアキーを使わなければならなくなった。
赤キーではないけれど、純正のキーを無くしたショックは大きかった。
その心傷も時とともに癒え、こんどは、そのスペアキーにスペアが無いことに不安を感じ始めたのだ。
また無くす前にスペアをと、近所の「靴修理&鍵の店」へ。
「これのスペアを作ってもらえまっか?」
「はい」そのキーを見た店員の若いニイチャンは、
「あー、この片歯の鍵ってもう廃盤なんですよねぇ。」
「一度、ストックをあたってみますけど、お時間いただけますか?」
確か、20年前にこのスペアを作った時、もう既に片歯のキーを苦労して探してもらったっけ。
駄目でもともと、「たのみます。」
小一時間ほどして、たずねてみると、
「あー、出来てますよ。」
見ると、まったく同じFUKIのキーだ。廃盤であるので、キラリと光ってはいないが、
わたしの注文を待っていたかのように生き生きと見えた。
HONDAのキーを無くしたときのショックを埋めるくらい、この廃盤「FUKI」を見たとき、感動があった。
そして、その若いニイチャンの一言に、わたしは背筋がぞくっとするほどの衝撃を受けた。
「このFUKIの片歯のキーって、35年くらい前に廃盤になってて、、、」
次がすごい。
「車のキーに使われてまして、」
「ホンダですね。」 |
わたしは、「あぁ、はい、、、」としか言葉が出なかった。
この茶髪のニイチャン、なにもんや、、、
極普通のローカルなショッピングセンターの片隅にある小さな鍵屋。そこに鍵の世界を見た気がした。
昔、ジミー・ペイジがこう言っていたのを思い出した。
「すべてを知り尽くした人間は、必ずどこかに居るものだ。」 |