ホンダ?

「どうやった?」

ショップで僕の帰りを待っていた友人に聞かれ、「うん、ちょっとな、、、」こう答えるのが精一杯でした。その友人は、やはりストックのスカイラインGT-R 44年式に目星をつけているようでした。

人間とは勝手なものです。あれほど憧れていたヨタハチ、でもカタログどおりのシチュエーションを期待していた自分があほらしく思えました。捨てられた子犬のようだった、あの日のメタリックグリーン。

「ごめんな、家じゃ飼えないんだよ、、」雨の中を逃げるように走り去った少年のように、僕はそれを諦めました。

僕は少し気分を換えて、仕上げ途中のホンダS500を眺めながら、社長さんやメカの方と話し、いろいろと教えてもらいました。

僕は、もう少し程度の良いヨタハチを探してもらうつもりで居ましたが、ヨタハチは、生産台数が少ないうえ、パーツの供給も芳しくないと聞き、さらにはオリジナルエンジンでない個体(パブリカのエンジンに載せ換えた物)が多いとも聞きました。

冬の日もとっぷりと暮れ、「また来ます。」と帰ろうとしたとき、

「ホンダやったら1台あるよ。」

「えっ、ホンダ?」
                                  続く